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祝!ジョナゴールド、銀幕デビュー!
映画「三本木農業高校、馬術部」を観る


鑑賞日:平成20年10月14日 12時45分〜

作品データ:
2008 / 日本 / カラー / ビスタサイズ / ドルビーデジタル / 117分
製作:「三本木農業高校、馬術部」製作委員会 / 配給:東映
公式HP:http://sannou-bajutsu.com/index.html

映画寸評:
※ 以下、ネタバレ注意。映画を未見の方で、粗筋その他を知りたくないという方は、映画を鑑賞後、改めて訪問・熟読いただければ幸いに思います。※

映画館入口のポスター  盲目の名馬「タカラコスモス」(通称:コスモ)と、馬術部に所属する女子校生の心の交流を、実話を基に描いた作品。
 実話の舞台でもあった、青森県立三本木農業高校が撮影に全面協力。実名で登場するばかりか、最終的には映画の名称に高校名が付されるまでになった。

 物語は馬術部の日常描写から、淡々と始まる。飼葉や水の世話、引き運動、調教から、馬糞の処理まで。一般の、特に都会に居住している人間には縁遠い、家畜(ペットではない動物、と受け取って下さい)と共生する事の大変さが、新入生達の目線を借りる形で、紹介される。

 主人公・香苗(長渕文音)と盲目馬・コスモを軸として物語は展開してゆくのだが、その舞台となった青森の、四季折々の風景が目に眩しい。春の桜に始まって、夏風が運ぶ青草の匂い、物悲しき秋の斜陽、そして純白厳冬の冬。
 監督が「90%が三本木農業高校内でのロケだった」、「半分ドキュメンタリーのつもり」と仰しゃられているこだわりの成果が、その風景描写に滲んでいる。

 その他、コスモ出産のシーンや、生まれた仔馬との子別れのシーンなども、一切の演出を排除。本当の出産や子別れの場面に、出演者を立ち会わせる形で撮影されたという事で、尋常ならざるリアリティが画面から漂う。

 但し、映画本筋の話は、正直、もう一歩食い足りなかった。
 特に、言う事を聞かないコスモを、馬鹿馬呼ばわりしていた香苗が、コスモと心を通わせようと思い至るプロセスについては、「???」。
 飼育馬の死や、それに伴う男子部員の退部など、彼女の心を揺り動かす物語はあったが、それらがどうしてコスモへの愛情に繋がるのか、描き切れていなかったように思う。(少なくとも私には「彼女はこんな気持ちだったんだろう」という、脳内補完が必要だった)

 前述の男子部員との淡く、ぎこちない恋愛模様も、不完全燃焼。むしろ思い切って省いてしまった方が良かったかもしれない。(そういう意味では、思い切り端折った感じの、香苗の先輩・園田と顧問・古賀先生の恋模様(と私は受け取りました)の方が、強いインパクトを残している)

 新人である長渕文音の演技を云々するのはヤボの極みではあるが、思っていたよりも違和感は覚えなかったし、気の強そうな横顔が、とても役柄にマッチしていた。(鑑賞中、「表情の感じが、石原さとみに似ている」と思ってしまったのは、ナイショです)
 彼女も含め、障害馬術のシーンは、一切のスタントなしで演じられているとの事で、その根性だけでも賞讃に値する。

 そんな文音を脇から支えた、柳葉敏郎、国谷友香、松方弘樹、ジョナゴールド(!!!?)の演技は、申し分なし。特に柳葉敏郎の、首筋や顎の筋肉による喜怒哀楽の表現は、オデコのシワで演技をする、田中邦衛レベルに到達しつつあるように感じた。(怒りが徐々に蓄積され、男子部員を張り倒すシーンや、飼育馬の薬殺に男泣きするシーンに顕著)

 意地悪く粗を探せば、まだまだ色々と出て来てしまう作品だが、自然の中で精一杯に生きている人々への賛歌としては、申し分ない。それを端的に示すのは、制作当初は「コスモ、光の中へ」だった映画タイトルが「三本木農業高校、馬術部」に変更されたこと。
 盲目馬と女子校生の閉じた二者だけの世界から、三本木農業高校の馬術部を取り巻く人間模様が描かれる世界へと、映画自身が撮影される過程で大きく成長し、見つめるべき世界が拡がってしまったのだろう、と思わせてくれる。

 (但し、そのタイトル変更の弊害として、クライマックスが曖昧となってしまった感が否めない。前タイトルのままであったなら、多分、障害馬術大会のシーンでエンドロールだったのではないだろうか。それが後者のタイトルになったため、高校の卒業式まで語られる事となり、結果、感動の場面が分散してしまったのは、幸でもあり不幸でもあり‥‥‥だったのではないか、と愚考している)

ジョナゴールド寸評:
 オープニング・タイトルが終了した直後、ジョナゴールドが銀幕に初登場。
 それも、主人公を差し置いて(という程ではなかったが)、いきなりのドアップ!

 その後も、馬術部から離れた日常風景のシーンでは、そこここにジョナさんのご尊顔。何しろクラスメイトである事は言うに及ばず、寮生活におけるルームメイトという位置付けなので、本筋から離れた、まったりとした高校生活には、ジョナゴールドが欠かせない。

 個人的にウケたのは、主人公ともども、カラオケに出掛けているシーン。
 歌ってますよ、ジョナゴールドが。「彼の軽トラに乗って」を!
 思わず相好を崩し、小さくガッツポーズ。だって、カラオケのTVには「彼の軽トラに乗って」のPVが流れていて、そこには農作業着のジョナさんとレッドさんが映っていて、その前でジョナゴールド本人が、役柄上、カラオケで「彼の軽トラに乗って」を歌っているという‥‥‥(感涙)。

 その他、寮の部屋で話す主人公の背景で、ジョナさんがリンゴを丸かじりする、香苗が軽トラの荷台や、自転車の二人乗りで部室に向かうシーンで、「彼の軽トラに乗って」を口ずさんでいるなど、思わず膝を打つシーンが目白押し。(ポニョのように、一発キャッチーな歌詞だったら、「彼軽」は大ヒットしていたかも。と、こんな視点でこの映画を見た人は、私を含めても、かなり限られるだろうけど)

 初めて台詞入りで主人公と絡んだ屋上のシーンでは、その演技をドキドキしながら見守る感じだったが、時間の経過と共に、どんどんスクリーン映えするようになった笑顔には、驚きを禁じ得ず。凄い、凄いぞ、ジョナゴールド!

ジョナさんは、どこ?  しかし、です。
 それ程までに、映画の中で存在感を発散していたジョナさんが、パンフレットでは一切触れられておらずというのは、どういう事か、と。(泣)
 公式HPと同様に、パンフレットでも最終ページのキャスト&クレジットに、その名前があるのみ‥‥‥。

 パンフレットに登場していない訳ではない(右画像の矢印参照)ものの、映画本編での存在感と、完全に反比例しているのが心残り。甚だ残念無念な次第。(ま、馬術部に直接関係がない役柄である以上、止む無しではある)

 因みに映画のエンディングに関しては、「バスターミナル」、「YOU」、「海」、「津軽富士」、「ずっと ずっと ずっと」など、りんご娘.のバラード曲の方が、作品の世界観に合っていたような気がした、と最後に申し添えておく事にします。(明らかに青森な空気からは浮いてました → エンディング曲)

鑑賞直後の心象を一言:
ジョナゴールドの銀幕デビューを祝して、乾杯!
今度は是非、りんご娘.主演の映画(!?)で、再会しましょう!

オマケの一言:
長渕文音さんとジョナさん、声質が一緒だぁ‥‥‥。
(オープニングのナレーションで、「ん?ジョナさん!?」と錯覚したほど)


本文中の描写は、全て当方の記憶に基づき書かれています。
事実とは異なる表記があるやもしれませんが、ご了承下さい。


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