RINGOMUSUME. Power Live 2005 in 弘前Mag-Net


Power Live 2005

◆往路

 東北新幹線は特に問題なかったものの、八戸に到着した時点で青森以西の奥羽本線が不通である事が判明。ひとまず青森までは出られたものの、奥羽本線は復旧の見通しが立たず、弘前まではバス代行運転となる事が告げられる。
 ただ、代行バスも「現在、準備中。到着まで15分くらいかかりそう」との事なので、ダンディ・J氏の即断即決もあり、タクシーにて弘前へ向かう事とする。道すがら、運転手さんにも色々と話を伺ったが、本当に昨日、今日で降り積もった雪らしい。

 しかし、当方が考えていた以上に、北国の道路&車は平然と運行されている事に驚く。
 関東の感覚では、電車が運休するほどの雪 = 車が走る事など絶対に不可能なのだが、青森ではむしろ車の方が定常運行するようだ。今後の遠征も考えれば、今回の経験は却って良かったのかもしれない。因みに降雪の残る青森〜弘前間、所要時間は約一時間。料金は約一万円だった。

◆会場

 ホテルにチェック・イン後、慌てて荷物を取りまとめ、これまたタクシーで会場へ。
 建物の外は、降り積もった雪があるのみで、人影はない。「すわ、中止か!?」などと思いながら、入口のドアをくぐると、会場へと続く階段には、ビッシリと人波が続いている。ホッと一安心。
 天候を考えれば、盛況と言って差し支えないのではないだろうか。

Mag-Net、入口 会場は、映画館を改装したらしい変則的な構成で、ステージの前はスタンディングのフロア、そこから続く階段の右手に、カーペットを敷いたキッズ・フロア、階段を上がり切った所にPA装置一式、その後方に喫煙コーナーを兼ねたような丸テーブルのあるフロア、というような構成。
 当初、オール・スタンディングとの告知が為されていたが、ステージ前のスタンディング・フロアには、パイプ椅子が縦に5〜6列、横に10〜15脚前後、設置されていた。

 客層は老若男女、幅広い年齢層となっており、小さい子供連れのご家族の姿も多々、見られた。開場と同時にパイプ椅子は見事に埋まり、後方の喫煙コーナーや、階段部分などには、立ち見の方が多数、陣取っていた。
 また、喫煙コーナーの片隅では、「粥の汁(けのしる)」が無料で振る舞われたり、ポスターやポストカードなどの販売も行われていた。


◆津軽のふるさと (アカペラ)

 定刻にライブ開始の告知放送 → 場内暗転。先日の「Aomoriりんご感謝祭」にて、「Power Live 2005」の開催告知が行われた際に流れていた、バスドラムを基音としたリズムが刻まれる中、向かって左の舞台袖から、しずしずとりんご娘.が登場。照明がうっすらと点灯し、りんご娘.の姿が浮かび上がる。なんと「焼きりんご」のジャケット撮影で使われた、晴れ着を羽織っているではないか。ライブでは初の着用か?(少なくとも当方は初見)

 ほのかに薄暗い照明と晴れ着が相まって、妖艶な空気を漂わせながら、マイクのみを使用したアカペラの本曲にて、Power Live 2005の開幕となった。

◆A.D.D.

 津軽のふるさとを歌い終わり、客席に背を向けた「りんご娘.」。
 本曲のイントロが流れ出すと同時に、晴れ着を肩から滑らすように、ハラリと脱ぎ捨てる。
 晴れ着の下に隠されていた、三人の白いうなじが目に眩しい。

 この一瞬の演出にも艶やかさを感じたが、ステージに灯が入り、目を見張った。
 それはレッドさんの衣装。黒のミニスカートに、なんと黒の網タイツ!
 スラッと伸びた足が、これまた本当に美しく、ひたすら目に眩しい。

 そんなレッドさんに衣装にしてやられて、楽曲そのもの印象が残っていないが、普段はアカペラで歌われる本曲に、今回は軽やかな伴奏がついていた。(ハズ?)

◆りんごの唄

 前曲から引き続き、レッドさんのおみ足が目に眩しい、眩し過ぎる!
 何故なら、本曲はその振り付けにおいて、足を蹴り上げるような動きが加わっているから‥‥‥。純な私などは、その振り付けの瞬間だけで、ドキマギしてしまう。

 古風な歌詞と、健康的なエロスの融合。無論、レッドさんの衣装からのみ生まれたものではなく、ジョナさんや金星さんの躍動する身体とキレの良さからも発散される、自然なエロスがあっての話。
 文章で読むとミスマッチだったのでは?と、お感じになられるかもしれないが、本曲の違った魅力を惹き出していたのは、間違いない。

◆MC.1 -> 踊る会 リターンズ?

 「皆さん、あけましておめでとうございます。りんご娘.です!」が、本年の第一声。会場からは、万雷の拍手が飛ぶ。自己紹介から、次の楽曲「焼きりんご」の紹介へ。
 と、ここで、「焼きりんごの間奏部分の振り付けを、観客の皆さんと踊ってみたいと思います」という話になる。昨年春に行われた「りんご娘.と踊る会」で実施された、振り付け講座に再挑戦するらしい。

 ツイスト → モンキーダンス → ぐぃん、ぐぃん(!!)のバリエーションを組み合わせた踊りであること、踊りのポイントなどを、りんご娘.が実演を交えながら、丁寧に解説して行く。
 「試しに金ちゃん、通しで踊ってみて」とジョナさんに振られ、尻込みしつつも踊った金星さんが、「今のは悪い見本です、この二人の踊りを参考にして下さい」と、照れた顔で話していたのも印象的だった。

 その後、客席から二名のお客さんがステージ上に連行されて、なんとケノシルの伴奏付きで、習ったばかりの振り付けを観客の皆さんに披露。これは滅多に出来ない貴重な体験?
 「どぉ〜ですか、皆さん!」とのりんご娘.の問い掛けに、客席からは大きな拍手。
 ステージから降りる二人、「どちらからいらっしゃいましたか?」と問われて、最初の方が「南の方から来ました」と応じ、二人目の高校生風の男子が、「南アフリカから来ました」ともう一捻り加えたオチを付けて、会場から笑いと喝采を受けていた。


◆焼きりんご

 「では、皆さん、間奏で踊って下さいね。焼きりんごー!」で、焼きりんご。
 大切に、半年以上もの間、主に現メンバーで新曲として歌い継いで来た曲だけに、メイン・ボーカルを担当される金星さんにも、万感の思いが去来していたのではないだろうか。会場の構造に起因するのかもしれないが、何時もより声に通りの良さがあったように聞こえた。

 お約束の間奏では、観客の皆さんが、揃ってツイスト → モンキーダンス → ぐぃん、ぐぃん(笑い)。お互いの振り付けを目にしたからか、会場のあちこちで小さく笑い声がこだまする。
 それを見て嬉しそうに笑いながら、積み重ねて来たものの違い = 観客とは一味も二味も違う、キレのある振り付けを披露するりんご娘.。
 同じ時間を共有しながら、全く違う地平を見つめているステージと客席のコントラストが、実に鮮やかな一曲だった。

◆ケノシル・ショー / スイートメモリーズ?

 「ここで、バックバンドのケノシル・ショーをお楽しみ下さい」とのことで、りんご娘.が客席を煽り、大きな声で「ケノシル・ショー!」と数回コールをかけてから、袖に下がる。
 それを受けて、ドラムスのシュウ(注1)さんがマイクを握り、「あけましておめでとうございます。ケノシルと申します。本年も宜しくお願い致します」と挨拶。

 ステージ上には椅子が用意され、hiroさん、シュウ(注1)さん、ボンバイエさんが、生ギターを抱えて座り、hiroさんのボーカルで、「スイート・メモリーズ」(だったと思う)が切々と歌われ始める。
 これが上手い。当たり前と言うべきか、流石に上手い。シンプルに歌っているだけに、歌詞が噛んで含むように伝わってくる。客席も、そんなhiroさんの歌声に、静かに耳を傾けていた。

◆Fly High

 衣装替えをして(だったと思う)、りんご娘.再登場。「ケノシルの‥‥‥というか、hiroさんのオンリー・ショーだったね」などと嬉しそうに突っ込みを入れながら、ケノシルの面々がスタンバイするのを待って、本曲へ。

 いつ見ても、いつ聞いても躍動感が溢れる本曲。今回の会場のように、きちんとしたステージが用意されていると、特徴的な腕を振り上げる動作や、身体の前で指をクルクルッと回す仕草などが、より一層、映えて見える。バンド伴奏特有の、生音の勢いの良さが、歌声を効果的にアシストしているのも見逃せないポイントであろうか。

◆MC.2

 弘前の冬だったか、今の季節だったかをネタにして話しているうち、レッドさんが徐々に脱線。ジョナさんが「皆さん、ごめんなさいね、この子、帰国子女なもので、日本語がおかしくて‥‥‥」と、フォローになっているのか、なっていないのか分からないようなフォローを交えて、会場を暖めていた。

 「帰国子女じゃないもん!」と叫んだレッドさんながら、直後に「てにおは」がこんがらがったようなコメントをして、「やっぱり帰国子女じゃん!」と、ジョナさんに再度、突っ込まれていた。
 そんなやり取りを微笑ましそうに見つめていた金星さんが、「次の曲、いこうよ」と、ボソッとコメントすると、会場からは笑い声が。


◆雪のブルース

 ケノシルのキーボード担当・トモさんの伴奏を中心に、悲恋(かな?)を切々と歌い上げた楽曲。
 メイン・ボーカルのジョナさんが、元気よく、しかし、感情を込めながら歌っているのが良く伝わって来た。

◆プラネタリウム

 正に冬の季節を象徴するような本曲。
 なんと今回は、先日のチャリティー・ミュージックソンにて初公開された、手話を織り交ぜたバージョン。メイン・ボーカルとコーラスで手話が異なるのは、以前、レポートさせていただいた通りだが、本格的なステージでそれを見せられると、三者三様の振り付けを行っているようにも見える。

 手話というアプローチには、健聴者以外への暖かい眼差しが込められているのではないかと思うので、持ち歌全曲は流石に難しいにしても、何曲か手話バージョンの振り付けを準備しておく事が、今後、毛色の違う新しい出会いをもたらす縁へと、繋がるような気がする。
 こういう、細かくも小さい積み重ねを大切にしている姿勢があるから、「りんご娘.」を、H.A.S.P.さんを、心から応援したくなってしまうんだよね‥‥‥。

◆休憩 (約10分)

 「ここで第一部は終了です。10分間の休憩です」とのことで、りんご娘.が袖に下がる。
 「え?もう休憩?」と思って時計に目を落として見れば、なんと開演から一時間強が経過していた。
 中身の濃さ、充実度にしてやられて、時間感覚がかなり狂っている模様。
 粥の汁を食されている方も多かったが、当方は喫煙席の後方で、屈伸運動をしたり、設置してあった椅子に座ったりしながら、まったりと休憩時間を過ごした。


◆第二部 開演 → レッドさんヒストリー

 第二部の開演が告げられ、場内が暗転。すると正面のスクリーンに、既存有名曲を歌う幼い表情のレッドさんが映し出された。かと思うと、現在のレッドさんが様々なインタビューに応える映像へ。そして又、幼い表情の映像へと切り替わって、の繰り返し。
 徐々に合点がいったのだが、どうやら幼い表情のものは、オーディションを受けた時の貴重映像だった模様。道理で歌声に、今のような抑揚がないと思った。

 惜しむらくは、ライブハウス備え付けの液晶プロジェクター(SHARP XV-Z4050?)が、性能的に旧世代に分類されるシロモノであったため、輝度とコントラストのバランスが悪く、クッキリした映像にならなかった点か。
 それでもH.A.S.P.さんの意図は十分過ぎるほどに伝わっていた訳で、問題ないといえば、そりゃそうだ。

◆プレイバック パート2 / レッドさん・ソロ

 「将来の夢は‥‥‥、専業主婦!」という、映像の中のレッドさんの受け答えで会場が沸き、ケノシルが演奏を開始。舞台袖からは、レッドさんが一人で登場。どうやらソロ・コーナーであるらしい。
 しかし、この選曲は、今回のライブの中でも秀逸だったのではないだろうか。前半、大人っぽい衣装で演出しておいて、ソロで本曲とは。点の演出が、線で繋がった瞬間である。

 それに輪を掛けて、レッドさんの歌声が素晴らしかった!本曲に特徴的に織り込まれている、捨て台詞のような、オトコ心を挑発するかのような歌詞が、今日の小悪魔的なレッドさんに、ものの見事にハマっていたとしか表現のしようがない。「今日のレッドさんになら、睨まれながら思い切り頬を張られても良いなー」などと、フトドキ千万な事を思い浮かべていたのは、果たして私だけだろうか?

◆金星さんヒストリー

 レッドさんが一礼して袖に下がると、今度は金星さんヒストリーがスクリーンに映じられる。と、インタビューを受ける金星さんが、画面の下からぬぅぅ〜うという感じでフレーム・イン。撮影時に、わざわざしゃがんでいたのだろう情景を想像すると、非常に可笑しい。

 レッドさんと同様に、オーディション時の映像も登場したが、その時点で歌が上手い。無論、今現在の方がより上手くなっているのだけれども、土台に大きな変化が無いというか、歌うという事に関しての自力が飛び抜けていたような印象を受けた。「焼きりんご」で、メイン・ボーカルに抜擢されたのも、納得の一語。

 「何時もクールで知的な私ですが、そうじゃない私を見て下さい」とインタビューを締め括っていたが、金星さんが割と「オトボケ」であらせられる事は、何回かステージを拝見すると良く分かる。そういう姿を、たまーにだけ、ポロッとこぼして見せてくれる辺りが、金星さん最大の魅力ではないだろうか。

◆飾りじゃないのよ、涙は / 金星さん・ソロ

 そして演奏が始まる。かなりのアップテンポ。舞台袖から弾むように金星さん登場。躍動するキモチを抑えられず、身体全体から発散している雰囲気。両手を頭の上で打ち、観客に拍手を煽る。
 衣装は、手首とかにボワボワが付いているような感じのもの(だった気がするのだが、記憶が定かではない)

 言葉を紡ぎ、重ねるように畳み込んで行く本曲は、ブレスのタイミングが非常に大切で、少しでもそれがズレてしまうと、息も絶え絶えで歌うハメに陥るのだが、金星さんは正確に、リズムを刻むようにブレスを取って、この難曲を堂々と歌い切っていた。
 一部、歌詞が「ムニャムニャ」となっていた部分もあったようだが、これは作詞:井上陽水の楽曲と考えれば合点の行く話なので、気にする必要はないと思う。

◆ジョナさんヒストリー

 年齢的には一番若いものの、りんご娘.歴は一番長いため、トリと飾る事となったジョナさん。しかし、映し出されたオーディションの映像を見て、驚愕。忌憚なく述べてしまうが、歌が下手という以前に、歌っている姿そのものに、今のような元気の良さ、覇気が、全く感じられない。今現在の姿が、インタビューとして差し挟まれると、とても同一人物とは思えないので、戸惑いのようなものさえ感じてしまう。

 しかし、裏を返して見てみれば、加入時点の力量如何に関らず、諦めずに日々の鍛錬を重ねて行けば、ステージの上で眩いばかりのオーラを放つ事が出来るようになるんだと、正にジョナさんが現在進行形で証明しているのではないか。
 金星さんのオーディション風景と比べるまでもなく、才能や素質の差というものは確かに存在するけれど、仮に才能や素質に劣る部分があっても、本人にやる気、負けん気、頑張る気 (だっけ?)があれば、大きな花を咲かせる事は出来るのだ。
 後輩達が加入するような事があれば、これ以上の生きた教科書はないだろう。
 ただ、

 「好きなタイプはですね、背が高くて、スノボが出来て、お金持ちで、サングラスの似合う、哀川翔みたいな人!」

 ん〜、ジョナさん。その夢を実現させるのは、ちょっと大変じゃないか?(苦笑)

◆ボヘミアン / ジョナさん・ソロ

 レッドさんと金星さんが、元気一杯の中に愁いを込めるようなイメージで歌ったと評するなら、ここでのジョナさんは、元気を胸の中に秘めながら、愁いを前面に出した雰囲気で歌唱してくれた。
 衣装も落ち着いた雰囲気のワンピース(だったと思う。実は記憶がオボロゲ)で、勢いで歌い進めてしまうのではなく、一語一語をしっかりと噛み締めながら、今までのジョナさんにはない、凛とした元気さを醸し出しながら歌っていた。

 しかし、このソロ・コーナー、「音」故知新とでも表現したくなるような、大人には懐かしく、少年少女には新しく聞こえる楽曲ばかりを、よくもまぁ巧みに選曲しているものだと、感心しきり。
 Power Live ならではの目玉という事で、本コーナーは今後も受け継いで行って欲しいと思う。


◆ケノシル・メンバー紹介?

 ジョナさんがステージ袖へ下がるのと前後し、いきなり「冬のソナタ」のメイン・テーマが鳴り響く。何故か客席からは笑い声。いや、当方も思わず笑ってしまったが。
 そんな音楽をバックに、スクリーンには「ケノシル」でドラムを担当されているシュウ(注1)さんが登場。言われてみれば、ヨン様に似ているかもしれない。確か、「お嫁さんを募集中です」とか仰られていた。

 続いては、ベースを担当されているボンバイエさん登場。ボソッと自己紹介された後、「りんご娘.に、一言」と問われ、「えーっと‥‥‥、特に無かったです」。
 その間、表情、答え方、それらが個人的にはツボに入ってしまって、大爆笑。ボンバイエさん、最高!

 その後、キーボード担当のトモさん(彼氏募集中、だそうな)、バンドマスターで作詞作曲も手掛けられているギターのhiroさん(撮影時、お疲れだったご様子?)とインタビューは続き、再度「冬のソナタ」のメイン・テーマが流れる中、シュウ(注1)さんの「りんご娘.と共に、我々も頑張ります」とのコメントが流されて終わり‥‥‥と思っていたら。

◆誕生、スーパー・ケノシル!

 スクリーンに「今日、ケノシルに新しいメンバーが加わる」との表示。
 引き続いて、凄まじいばかりの津軽三味線奏者の経歴が表示される。
 そして、一条のスポット・ライトと共に、津軽三味線の鋭くも暖かい音色が鳴り響く‥‥‥。

 津軽三味線担当:渋谷和生氏、鮮烈のケノシル加入、そしてデビューの瞬間であった。
 しばし、渋谷氏単独の津軽三味線・デモンストレーション演奏。
 思わず鳥肌が立つような、見事な演奏と演出に、会場からは万雷の拍手が降り注ぐ。

◆Give Me Power

 渋谷氏の津軽三味線独奏から、流れるように本曲へ。津軽三味線を取り入れたという謳い文句が掲げられていたが、今までは生バンドという形でその魅力を示す事が、残念ながら出来ずにいた。しかし今日、Power Liveという最高の舞台で、多分、誰よりも「りんご娘.」が待ち望んでいたであろう、津軽三味線の加わった生演奏が実現したのである。これは、単純明快に感激の一瞬。

 津軽三味線の渋谷氏と、同時に「ケノシル」に加わったフルート奏者二名の方(名前失念!)の演奏も交えた本曲は、想像していたよりも柔らかい、温かみのある楽曲になっていた。
 今後、津軽三味線のみを伴奏にしたバージョンなど、(無論、渋谷氏の都合もあるだろうが)、本曲のバリエーション展開には大きな期待が持てそうだ。

◆MC.3

 渋谷氏、フルート奏者二名が加入した興奮が冷めやらぬ中、りんご娘.が「皆さんに紹介します。スーパー・ケノシルです!」。当然ながら、再度、万雷の拍手。

 そんな雰囲気の中、「スーパーが付いた事を記念して、私達がメンバーの新しい名前、あだ名を考えて来ました」という話になる。どうやら「スーパー・ケノシル」のメンバー以外がグルとなり、密かに進行させていたネタのよう。「スーパー・ケノシル」のメンバーは、表情に動揺がありまくり。

 「hiroさんは、ヒロぴょん!(だったかな?)」などなど、若い女の子が考えた風な、ビミョーなあだ名を書いた首から下げる形の「あだ名札」をメンバーに配って歩く「りんご娘.」。
 当然ながら、渋谷氏にも「あだ名札」を渡していたが(あだ名は、失念!)、若干お年を召した観客の方が、「怖いもの知らずだなー」などと、楽しそうに笑い声を上げていた。ま、若いうちから、権威に盲従しているようでは、先が見えてしまいますから、この辺は若者のみが許される特権という事で。
 渋谷氏も、あっけにとられた表情ながら、苦笑いをして、嬉しそうに名札を受け取っておられたようだし‥‥‥。


◆Jonkara

 津軽三味線が加わった事で、満を持して演奏された本曲。生三味線の弾きのテンポに合わせてか、Aomoriりんご感謝祭で耳にした時よりも、随分と曲調が速い。

 しかし、エレキバンドに三味線、フルート、そして「りんご娘.」。一見、拒否反応を起こしそうな取り合わせが、津軽というキーワードを介する事で、見事に融合している。
 この調子だと、そのうちサックス奏者や、ストリングス・グループなども加わって、「スーパー・グレート・ケノシル・スペシャル・デラックス・バージョン」(←ヲイヲイ)などへと、発展して行きそうな気もする、が?

 「りんご娘.」に目を移すと、腕を横に、真一文字に伸ばす振り付け、特にメンバーの二の腕の美しさに、思わず見惚れてしまう。
 筋肉ムキムキという感じではないのだが、鍛錬を積んでいる者のみが持つ、引き締まった筋肉が、ステージ上の強い照明に照らされて、柔らかくもしなやかな影を作っている。そこには、派手に着飾るばかりが演出ではなく、シンプルにありのままを見せる事の凄みが潜んでいるように思われた。

◆津軽弁講座 / 津軽のヨーカドー

 猫?の着ぐるみ寸劇を挟んで、「津軽弁が分からないと、面白くないだろう」と考える向きもあるかもしれない本講座へ突入。しかし、そんな事を言い出した日にゃ、「じゃぁ日本では英語の歌(洋楽)は、ほとんど聞かれていないの?」という話になる訳で(例えが極端?)、重要なのは津軽弁の意味が分かるか、分からないかではなく、標準語にはない、方言ならではの語感の楽しさを聞かせられるか、という部分にあるのではなかろうか。

 そういうキモの部分さえ外さなければ、関東人でも宇宙人でも(!?)、十分に楽しむことができる企画であると思うし、この日も津軽弁で語る部分は元より、ケノシルの演奏と相まって、「津軽のヨーカドー♪」とオチを付ける部分で、大きな笑いが巻き起こっていた。
 津軽から全国へ、そして世界へのスケールアップを目指すなら、その規模が大きくなる事に比例して、本講座が含有する意味合いも、重要度も、より増してゆくと思われる。

 目標である紅白へ出場した暁には、楽曲を「りんご娘.メドレー」とかに仕上げて、曲間には是非とも本講座を差し挟んで、お茶の間に「津軽のヨーカドー♪」を届けて欲しい。(NHKは固有名詞の使用に五月蝿いから、難しいかな?)

◆Love & Soldier

 「Give Me Power」同様に、ライブにおける津軽三味線の導入が待たれていた一曲。
 会場の最後方で鑑賞していたせいかもしれないが、津軽三味線の音が余り目立たないように聞こえた。PAのバランス調整から手探り状態だったのかもしれないが、折角、津軽三味線が加わったのだから、間奏などでは津軽三味線を全面に出すような音量調整にしても面白かったかな、と感じた次第。

◆りんごのキモチ

 締めは、覚え易く歌い易い上に、詞に込められた郷土への想いなどが、絶妙なバランスを保っている、この一曲。爆発するという程ではなかったが、終幕を感じ取ってか、会場の熱気も程好く上昇。
 今回は、ケノシルに新たに加わったフルートの柔らかい音色が、心地好いアクセントとして耳に届いていた。春の息吹を感じさせるような、そんなイメージ。

 フルートに負けず劣らず、「りんご娘.」のコーラスも絶妙の柔らかさと強さを保ち、終幕へと突き進む。そして、何時ものように可愛い振り付けから、「ヘイ、ヘイ、ヘイ♪」で、決めのポーズ。

 大きな拍手の中、一礼する「りんご娘.」に、花束を贈呈する人の姿も。
 「ありがとうございました、りんご娘.でした!」と挨拶をしながら、袖へと下がり、ケノシルのリーダー・hiroさんがステージ中央で深々と一礼すると、場内は暗転。
 すかさず、アンコールの声、拍手などが鳴り響き始める。


◆星のかけらを探しに行こう / アンコール

 アンコールに応えて、「りんご娘.」が再登場。スーパーが付かない「ケノシル」の面々がスタンバイするのを待って、アンコール曲へ。

 本曲は、派手な伴奏などはなく、「りんご娘.」のコーラスを中心に聞かせる構成にしていたようだが、サビを歌い始めた辺りから、コーラスが乱れ始める。「ん?」と思って注視してみると、なんと金星さんが大粒の涙を流しているではないか。これには、「あぁー‥‥‥」という感じで、非常に胸を打たれた。
 歌い続けようとしながらも、しかし、涙が止まらない金星さん。隣のジョナさんに「ごめんね、ごめんね」という感じで声を掛け、再度、マイクを口へと持って行くのだが、やはり涙を堪え切れないようで、横を向いて号泣。会場の、特に一般のお客さんから、「がんばってー!」と暖かい声援が飛ぶ。

 こうして、図らずも金星さんが「知的でクール」なだけではない事を証明してしまった涙だが、何が金星さんのキモチをそうさせていたのだろう?辛かった練習の日々を思い返していたのか、多くの観客に囲まれた喜びの発露だったのか、それとも‥‥‥。
 後半以降はキモチも持ち直したようで、目を見開いてきちんと歌い切った辺りに、金星さんの強い意思のみならず、本質的な魅力を見たような気がした。

 因みに、当方も貰い泣きしそうになったのだが、応援する我々が涙を流すのは、憧れの舞台:紅白歌合戦のステージに「りんご娘.」が立った時だろ!と自らに言い聞かせて、必死に涙を堪えた。
 今日流す筈だった涙は、そう遠くない大晦日の夜に、まとめて思いっきり流す事にしたいと思う。
 だから、頑張れ!りんご娘.!

◆MC.4

 再度の盛大なアンコールを受けて、「りんご娘.」が再々登場。
 「今年は、全国へと飛び出します!」などと、各々が今年の抱負などを語っていたのだが、順番が回って来た金星さん、「今日は本当にありがとうございました」などと話している途中で、再度、涙が止まらなくなってしまう。「ゴメンなさい、すみません」と言いながら、涙を拭う金星さんを見て、今度はレッドさんまでもが貰い泣き。うむ、うむ。泣きなさい、泣くがよい(泣)。

 ここで、本当は一緒に泣きたかったであろうジョナさんが孤軍奮闘。
 貰い泣きしているレッドさんを茶化したりしながら、何とかMCを取りまとめる事に努めていたが、このようなメンバー間の自然なフォロー・ワークは、ハタから見ていても本当に素晴らしいものであると思う。
 何故なら、教えられたから、という類のものではなくて、日々の切磋琢磨の中で生まれた、血の通った信頼感があるからこそ成り立っているフォローだと、自然にこちらにも伝わって来るから‥‥‥。

 ともあれ、「飾りじゃない涙」を流した金星さん、貰い泣きしたレッドさん、孤軍奮闘で二人をフォローしたジョナさん、三人ともステキでしたよ。

◆エアポート / アンコール

 「全国へ、大きくはばたいて行きます!」という宣言から、本曲へ。
 曲頭から振り付けが印象的なのだが、身体の前で両手をモコモコさせる部分については、いつ見ても金星さんが一番、キュートに見える。

 三人が両手を天に掲げる仕草などは、オボロゲながら見え始めた、栄光の光を掴み取るという意思表示のようにも見えた。本曲の歌詞の通り、青森から巣立って、大きく大きく育って、そして胸を張って凱旋して来るような、そんな存在になって欲しいものだ。

◆終幕 → 撮影会

 再々度のアンコールの声も上がっていたが、会場に灯が入り、正式にライブ終了が告げられる。
 「りんご娘.」の面々は、一汗拭ってから喫煙コーナー横のグッズ販売所に姿を見せ、CDへのサイン入れや、小さい子供たちとの握手などに応じていた。

 その後、販売所前のスペースにて、即席の撮影会。今回は青森放送のテレビ取材などが入っていたため、かなり本格的なライトが点灯されていたが、撮影希望者もかなりの人数にのぼり、互いに場所を譲り合ったりしながら、自由にシャッターを切っていた。

 この辺は、H.A.S.P.さんの寛大な対応に、心から感謝したい。
 そして、二時間半弱という長丁場のステージを終えたばかりだというのに、笑顔を絶やさず被写体となってくれていた、「りんご娘.」にも‥‥‥。

※1 シュウさんという表記について
 正式なお名前は「シブ」さんである事が、2005年春に判明しました。
 自戒を込め本文中の表記は、執筆当時のママにしております。
 シブさんにご迷惑をお掛けしました事を、改めてお詫び申し上げます。


本文中のMC、会場描写、その他は、全て当方の記憶に基づき書かれています。
事実とは異なる表記があるかもしれませんが、ご了承下さい。


生りんごレポート 表紙へ Top Pageへ