ブライダルフェア(ブライダルデート) at ホテルグランメール山海荘


ブライダルフェア・チラシ

◆往路

 今回の遠征は、午前中に鯵ヶ沢へ到着する事を念頭に、夜行高速バス「ノクターン」号(五所川原行き)をチョイス。若干の寝苦しさはあったものの、五所川原駅前のバスターミナル(待合所?)には、定刻前に到着。
 若干、電車との接続が悪く、JR五所川原駅の待合所で約一時間半の休息 -> 10時09分の五能線普通電車に乗車。鯵ヶ沢駅には定刻通り10時29分着。会場であるホテルグランメールへは、タクシーにて向かう。

◆会場

 ホテルに入ると、生バンド演奏が耳に飛び込んで来た。なんと「りんご娘.&ケノシル」がリハーサルの真っ最中。思わずロビーに立ち尽くし、聞き惚れてしまう。拝見させていただいた感じ、津軽三味線を除いたフル・バンド編成。
 ホテル内のイベントでもあり、ライブはカラオケ、良くてもアコースティックな伴奏があるかないか、ではないかと想像していたのだが、思いっ切り嬉しい方向に裏切られて、否応なしに期待が高まる。

 ここで冷静になってロビーを見回すと、思いの外、ブライダルフェアの参加者と思われる女性客、家族連れ、カップルが目につく。あちこちで華やかな話し声が飛び交い、エレガントな雰囲気。
 正直、場違いな空気が満ち溢れている所に、足を踏み入れた感が無きにしも非ず‥‥‥。

 時計の針が11時を差す頃、りんご娘.のリハーサルは終了。二階の「饗宴の間」では、ブライダルデート(衣装試着、撮影会、ネイルアート体験など)が始まるという事もあり、ロビーから人波が消えて行く。
 我々はフロントにてチェック・インの手続き。ホテル側のご厚意で、11時半頃には部屋を確保していただけて、旅装を解く事が出来た。長旅をして来た身には、この配慮が本当に有難かった。グランメール山海荘のスタッフに、感謝!


◆ブライダルデート

 スタッフに部屋へと案内される途中、廊下でジャージ姿の「りんご娘.」&スタッフの皆さんとすれ違う。笑顔で「お疲れ様で〜す」と挨拶&一礼されると、もうそれだけで来た甲斐があったなぁ、などと思えてしまう、この不思議。こちらも負けずに「お疲れ様、頑張ってね!」などと返事をしながら、指定された部屋へと向かう。

ブライダルフェアの手引き ひとまず荷物を部屋に下ろし、簡単な身繕いをした後、ファッション・ショー会場の下見も兼ねて、「饗宴の間」を覗いてみる。驚いた事に、会場に入って左手正面には、立派なヘソ付きのステージがしつらえられていた。これはどうやら想像以上に本格的なファッション・ショーが展開されそうな雰囲気だ。

 右手側はというと、かなりの数のドレスが用意された衣装の試着コーナー。
 お母さんと娘さんという組み合わせが多かったようだが、様々な衣装に手を伸ばしては、笑顔で話し合っている。同伴して来たのであろうお婿さん(??)の姿も目にしたが、皆さん何処となく手持ち無沙汰で、ここでの主役は完全に女性達。

 試着するドレスが決まった方は、ステージへと歩を進め、モデルのようにポーズを取りながら、記念写真の被写体となっていた。撮影されているのは協賛写真館のプロの方のようで、ポーズや目線、衣装のしわなどにまで気を配っているその姿は、流石の一語。

 因みに当方は気が付かなかったが、試着コーナー奥では、ネイル・アートやフェイス・メイク、ヘア・メイクなども無料で体験できるようになっていた模様。

◆生ケーキ、生ブーケ手作り体験

 「饗宴の間」へと続く廊下を利用して、生ケーキと生ブーケの手作り体験も催されていたが、こちらはどちらかというと、花嫁さんよりは親御さんやご家族、お婿さんなどが参加されていたように見えた。
 本職のケーキ職人が、手つきも軽やかにイチゴのショート・ケーキを作り上げてゆく様は、前述のカメラマンと同様、プロというか職人仕事の極みだ。

 ロビーで頂戴した進行表には、「りんご娘.」も参加するというような表記があったので、暫く両イベントを眺めていたものの、夜行高速バスでの移動の反動か、徐々に睡魔に襲われ始め、「ケーキを試食したい」という支部長に了解を得た上で、当方は部屋に引き上げる事にした。
 ケーキやブーケを作る「りんご娘.」の姿が見られず、ちょいとだけ残念!


◆模擬チャペル1

式次第 12時45分頃に、「13時から一階ラウンジにおきまして、模擬チャペルが行われます。皆さん、どうぞご参列下さい」との全館放送が流れる。ヌソッとベッドから抜け出して、再度、身支度を整えて一階のラウンジへ。短時間ながら横になった事で、身体が随分と楽になった。

 一階ラウンジは、「りんご娘.」がリハーサルをしていた時とはその様相が一変。
 バージンロードの絨毯が敷かれ、その左右には純白の椅子が50脚くらい綺麗に並べられ、座面には「式次第」が書かれた紙まで置かれている。しかも外人の牧師さんが登場するに至り、まるで小さな教会が引っ越して来てしまったよう。
 「どうぞ、お好きな所にご着席の上、若い二人の門出を一緒に祝ってあげて下さい」という、実にそれらしいスタッフの声にも促され、ブライダルデートに訪れた方々が、次々と席を埋めて行く。

 牧師さんの背後、大きなガラス越しに波穏やかな鰺ヶ沢の海を眺めつつ、「完全に模擬の域を越えているなぁ。りんご娘.はどう絡むのかなぁ?」と、そういう部分でも興味津々。

◆模擬チャペル2

新郎新婦、入場 そして定刻の13時、模擬チャペル開始。ケノシルのトモさん(だったかな?)のピアノ演奏で「結婚行進曲」(だったと思う)が鳴り響くと、バージンロードの向こうから、新郎新婦が入場。あいやー、なるほど、そういう趣向ですか。
 この時点では、仲良さそうなオーラが漂っているように見えたので、結婚予定のカップルに出演をお願いしたのかな?と、一人勝手に早合点していたのだが、後になって新郎新婦役のお二人は、グランメール山海荘のスタッフだったと知り、ちょいとビックリしたりした。

 肝心の「りんご娘.」は、というと、牧師さんの左隣に神妙な面持ちで整列し、新郎新婦の入場を待ち受けている。カメラでの撮影禁止などは周知されていないものの、余りに神妙な雰囲気に、ちょいとシャッターを切る勇気も鈍り気味。

 先ずは正統なキリスト教式のチャペルらしく、参列者全員が起立して賛美歌の斉唱。この時点でようやく気付く。「あ、なるほど。りんご娘.は聖歌隊になるんだ」と。
 「りんご娘.」の綺麗な歌声に先導されるように、参列者の方々も予想外に声を出して歌っていたが、仮に参列者が声を出す事を躊躇するような感じになってしまっても、「りんご娘.」が朗々と歌い切ってしまえば、式は粛々と続けられる訳だ。その上で「りんご娘.」を知らなかったような人達に、彼女らの歌声を聞いてもらえる絶好の場にもなった訳で、正に一石二鳥と言うべきか。

 「りんご娘.が新婦役を務めるのかな?」などと、低レベルな想像力しか働かなかった当方にとっては、完全に盲点を突かれた演出だったが、場の雰囲気を崩さずに「りんご娘.」の能力を発揮させるには、これしかないと思えるほど、実に見事なアイディアだった。素直に脱帽。

◆模擬チャペル3

聖歌隊「りんご娘.」 そんな驚きもありながら、模擬とは思えないような厳かな空気の中、式は聖書「コリント前書13章」の朗読、説教「キリストの愛」、誓約、指輪交換、祈祷、署名、結婚宣言、祝辞へと続く。
 結婚宣言では、「本来なら、ここで誓いのキスなのですが、今日は模擬チャペルですので‥‥‥」と、牧師さんが笑顔で参列者に語り始め、会場から暖かい笑い声が漏れていた。

 そして、聖歌隊「りんご娘.」による、讃美歌430番の独唱。
 厳かな空気を和らげつつ、結婚を果たした両者を祝福するようなその歌声は、模擬チャペルであるという事を忘れさせるに十二分の役目を果たしていた。

 引き続き、祝祷、奏楽を以って、参列者一同が起立する中、新郎新婦が退場。参列者に配られた造花の花びらが舞う中、新郎新婦がバージンロードを歩いてゆく。参列者からは、自然と拍手。
 この辺りになると、参列者の頭の中から、模擬チャペルであるなんてことは、吹き飛んでいたような気もする。
 最後にはきちんと新婦のブーケ・トスまで行われ、ちょっとした歓声が上がった所で、模擬チャペルは終了となった。


◆再び、饗宴の間

 チャペル終了は13時半。ブライダルファッションショーは、14時から。
 多少、中途半端ではあるが、早目に観覧場所を確保しましょうか、という事で、会場である饗宴の間へ。入って右手のステージ前には、先ほどは無かった観賞用の椅子やテーブルが整然と並べられ、なんとステージ左右の白い壁面には、ブライダルフェアに関するBGV映像が投射されている。
 ここに至り、どうやら今回のブライダルフェア、「りんご娘.」は単なるイベント・ゲストとして起用されているのではないな、というのが分かって来た。

 多分、我々が想像していた以上に、ビジュアル的な演出の部分で、H.A.S.P.さんが深く協力する事になっていたのだろう。その過程に於いて、「りんご娘.」という素材を、単なるイベント芸者として登場させるだけでは意味がない(一般的なブライダルフェアとの差別化にはならない)。H.A.S.P.が関わるからこそ実現させられるものを、提案してやってみようという観点が、大切な背骨として埋め込まれたような気がする。
 そう考えると、「りんご娘.」というフィルターがさほど強く作用しない本イベントの方が、ある種、先日の「Power Live 2005」よりも、H.A.S.P.さんの総力を結集した、実力が試されるイベントになっていたのではなかろうか。

 前置きが長くなったが、定刻の14時。
 場内は暗転し、「新郎新婦、ご両家の結婚披露宴を始めさせていただきます」とのアナウンスが流れる。
 なるほど、ここを披露宴会場に観立てた演出にするんだ、と感心していたら―――。

◆守ってあげたい1

 明るい音調で、「守ってあげたい」(松任谷由美作品)のBGMが流れる。そしてステージ中央にスポットライトが射す。そこにはゆっくりと前に歩みながら、笑顔で歌い始める「りんご娘.」の姿が。先ほどのチャペル同様、彼女達の生歌をBGMにしてしまうという、小粋な演出か。

 メイン・ボーカルを務めたのは、レッドさん。暖かくも柔らかい歌声が、フワッと会場を包み込む。ジョナさんと金星さんのコーラスが、目立たぬように、しかしながらしっかりと、そんなレッドさんの歌声を後押ししている。

 1番を歌い終わった「りんご娘.」は、間奏のコーラスをハモり続けながら、ステージ左袖へ移動。そのタイミングに合わせるように、新婦役のモデルさんが純白のウェディング・ドレスでステージに登場する。この辺りの連携も見事。新婦さんは、そのまま「りんご娘.」が歌う2番の歌詞に合わせるように、はにかみながら、しずしずとステージを一周し、観客から拍手を浴びる。

 「りんご娘.」は、BGMとしての役割を果たしつつも、新婦さんが退場されると入れ替わるように再度、ステージ正面に歩を進め、「守ってあげたい」を最後まで歌い切って、前座のような、裏方のような、主役のようなファッションショーのオープニングを、見事に勤め上げていた。そんな「りんご娘.」に、観客からは万雷の拍手。

◆守ってあげたい2

 このレッドさんメイン・ボーカルの「守ってあげたい」には、正直、物凄い感動を覚えた。鳥肌が立ち、身体の芯から電気が走り、ジワジワと目尻に涙が溜まった。歌が上手いとか、表情が良いとか、そういう表面的な話ではない。歌、表情、立ち居振舞い、それらあらゆるものを使って、レッドさん自身の内面に溢れている、「守ってあげたい」という歌詞そのままの思いの丈を、一切包み隠す事なく観客へ届けようとしていたのが、錯覚などではなくて明瞭に伝わって来てしまったからだ。

 ブライダルフェアというシチュエーション、それを念頭に置いた選曲の上手さで、感動が増したという側面はあったと思う。それは否定しない。しかしながら、如何にシチュエーションや選曲が素晴らしくとも、ただ歌うだけでは、当方が思わず涙目になってしまうほどの感動は、現出しなかったと思う。
 多分、「将来の夢は、専業主婦!」と語るレッドさんの、結婚へのピュアな心の結晶が、本曲により以上の生命力を与え、その結晶の波動が、当方の心をも揺らしてくれたのではないか、と思うのだが、如何だろうか。

 歌声だけに絞っても、高音域を伸ばす感じの多い本曲で、声が不自然に揺れたり、裏返ったりする事もない。最後の「い〜ぃいぃぃ〜♪」とアクセントをつける部分も、実に見事に ――― などという表現が甚だ陳腐に思えてならないほどに ――― 完璧に自分のものとして、自分のキモチを表現した音符を追うように、軽やかに歌い切っていたのは、特筆に価する。無論、ジョナさん、金星さんのコーラスが見事だった事も、見落としてはならないが。

 夢を追い、夢を(多少なりとも)叶えられた歓喜の瞬間。また、その発露の現場に立ち会えた幸せを、これほど大きく噛み締められる機会は、そうはない。歌い終わった後の大きな大きな拍手の渦が、感動を得たのが当方だけではなかった事を、何よりも雄弁に物語っていたと思う。
 観客のほとんどが、「りんご娘.」目当てではないお客さんだった事を加味すれば、正に実力でもぎ取った拍手だろう。

 少なくとも、当方が拝見したステージにおけるレッドさんのパフォーマンスとしては、(ステップ・ワークを忘れたのか、ジョナさんがさりげなくフォローしていた局面もあったが)、今回の「守ってあげたい」が、「孤高の」という枕詞を付けても足りないほどに、最高のものであったと太鼓判を押したい。
 冗談抜きで、おひねりが飛んでもおかしくなかったのではないか?

 本当に素晴らしかった。心の底から感動した。
 レッドさん、ありがとう。
 そして、これからも、頑張れ!

◆ブライダルファッションショー

りんご娘.の開幕宣言 一度、舞台袖に引き上げた「りんご娘.」だが、すぐに「皆さん、こんにちわ。りんご娘.です」と再登場。「では、いよいよブライダル・ファッションショーの開幕です。どうぞ!」と、簡単にMC。その声を引き継ぐように、女性司会者の方が「皆さん、後ろのバルーンをご覧下さい」と引き受け、場内が再暗転。
 観客席後方に視線を移すと、入場時には設置されていなかった、直径2mくらいありそうなバルーンがフワフワしている。と、パーン!という派手な音と共にバルーンが割れ、銀色のテープやハート型の小さい風船などが飛び散る。その中から登場したのは、先ほどの模擬チャペルと同じ服装をした、新郎新婦のお二人だった。

 そのまま、新郎新婦の二人は、一般的な披露宴での新郎新婦入場のように、観客席を通り抜けながらステージへと上がり、女性司会者の説明に合わせて、衣装を披露していた。
 その後は、新郎新婦の後を引き継ぐように、赤や白、水色など、様々なウェディング・ドレスを身に纏ったモデルの方々が、入れ替わり立ち代わりステージに登場。文字通りのファッション・ショーと相成った。

◆モデルは、りんご娘.

 総勢10名くらいのモデルさんが登場した後を受けて、純白のウェディング・ドレスに身を包んだレッドさんが登場。ライブ時のようなキレとリズムを重視したステップではなく、一歩一歩を確かめるような感じで、ゆっくりとステージを一周する。後姿のうなじから背中のラインが、実に綺麗だ。
 舞台中央で振り向き、ニコッと微笑んで一礼。当然、場内からは拍手。

モデル:ジョナさん 続いて登場したのは、ジョナさん。こちらはピンク色のウェディング・ドレスに身を包み、視線をやや右前方に傾け、しっとりとした表情を湛えながらステージを一周する。いつもの「あずきアタマ」な髪型とは異なり、うなじがハッキリと見える位に髪をアップしていたせいもあろうが、今、ステージを歩いているジョナさんと、ライブでハジけているジョナさんが、どうにもイコールで繋がらない。女性が化けるについては、年齢なんて関係ないんだね。
 レッドさん同様、舞台中央で振り向き、ドレスの裾を手で軽く摘むようにしながら、一礼。これまた、場内からは拍手。

 他のモデルの方々も、本職でない事を考えると物凄く頑張っておられたと思うが、「りんご娘.」の立ち居振舞いと比較してしまうと、「観客に見られている」のか、「観客に魅せている」のか、という辺りの意識差、慣れ具合が、如実に透けて見えていたのが面白い。
 こればかりは、踏んだ場数や、普段から魅せるためのトレーニングをしているか、という分母の差の話になってしまうので、ショーを締めるという意味でも、場慣れしている「りんご娘.」をトリに起用したのは、間違いなかったと思われる、などと考えていたら―――。

◆秋桜

 ジョナさんが舞台の袖に入り、少し間が空いた後、「本日の披露宴を心からお喜びになっておられますのは、新婦をここまで慈しんで育てられたご両親ではないでしょうか。そんなご両親へ、新婦から花束の贈呈です」と、女性司会者のMCが入る。
 「あれぇ、金星さんはモデルを担当されないのか」と、若干の落胆を感じた当方は、まだまだ甘かった。

 暗転した場内に、じゃらん♪と、生ギターの音が鳴り響く。これまたシチュエーションに絶妙にマッチする楽曲、「秋桜」(山口百恵)。そしてステージに、スポットライト一条。そこには花束を抱え、純白のウェディング・ドレスを身に纏った金星さんが立っていた。そして、モデル:りんご娘.の大トリを務めるべく、なんと単独で歌い始める。

秋桜を熱唱、金星さん 知的でクールを自称する金星さんの、ここでの起用は余りにもハマり過ぎといった感じ。暖かくも柔らかかった「守ってあげたい」とは対照的に、落ち着いて危な気のない歌声で会場の空気を厳かなものへと変化させ、ピーンと張り詰めさせてしまう。言い換えれば、客席の視線を釘付けにしているという証左でもある。

 花束を抱えている事もあり、ステージそのものを大きく使うような動きはなかったが、丁度、1番を歌い切ったのがヘソの前の方。そこで一礼。会場からの拍手を受けながら、静かに振り返り2番を歌い始める。
 すると、ステージ奥には新婦の両親役(!?)の方が、モーニングと着物姿で登場される。金星さん、今度はその奥の二人に語りかけるように歌いながら、奥へ奥へと歩みを進める。

 そして、正に2番の歌詞を歌い終わったその瞬間に、母親役の方へと花束を渡す。
 この辺りの歌詞との融合、会場の空気を察したような間は、計算し尽くしてもこうはいかないのではないかと思えるほどに見事で、見事過ぎるが故に違和感を覚えてしまうような空気さえ感じられた。
 そういや母親役の方、花束を渡された瞬間、リアルに涙を流していたようにも見えた。ひょっとしたら金星さんのご両親だった‥‥‥のかな?

◆ファッションショー、閉幕

 ご両親と金星さんが袖へと下がり、少しだけ間が空いた後、厳かな雰囲気を吹き飛ばすかのように、「りんごのキモチ」のカラオケが流れ始める。それに合わせて、舞台袖からドレス姿のレッドさんとジョナさんが登場。「これにてファッションショーは終了です。如何でしたでしょうか」と閉幕を告げる。会場からは、何処かしらホッとしたような、しかし若干、戸惑いもあるようなため息が漏れていた。
 そのままレッドさんとジョナさんは、19時開演のライブ「Love Songs」の告知を行っていたが、ファッションショーさえも見事に模擬披露宴の一部として演出していたのだから、このライブの告知も、

 「披露宴はお開きとなりましたが、新郎新婦の共通のご友人である「りんご娘.」の皆さんが音頭を取りまして、ラウンジにて二次会が(というのも、確かにオカシイ話かもしれないけれど)開催されます。会費は無料となっておりますので、どうぞ皆さま、お気軽にご参加下さい」

 という感じで、女性司会者の声で〆てしまった方が、それらしさ感を維持できたような気もする。
 とはいえ、こんなのは指摘するのも恥ずかしいような、好みの範疇の話。ブライダル・ファッションショーの魅力自体が削がれるほどの事ではなかった、と、念のために申し添えておく。


◆閑話休題

 ファッションショーの出来の良さに興奮し、精気を奪われてしまった当方は、部屋に戻って就寝する事に。無様と思われるかもしれないが、五感をフル回転させて「りんご娘.」のステージに集中すると、エネルギー消費も並大抵ではない。しかしながら、その位にキモチを込めてステージと対峙しないと、他人様にお読みいただけるレベルの、拙い拙いレポートを書き記す事が出来ない。

 18時45分。模擬チャペルと同様に、「19時からラウンジにて、りんご娘.のライブが行われます」との全館放送が流れる。ベッドからモソッと起き上がり、必要最低限の撮影機材、応援部材を抱えて、一階ラウンジへ。
 因みに、模擬チャペル終了時に、「撮影可能なのはファッションショーまでです」という周知が発せられており、会場となるラウンジの柱にも、何時の間にやら「撮影はご遠慮下さい」という張り紙が貼られていた。

◆スペシャルライブ『Love Songs』

開演直前のラウンジ ラウンジに到着すると、丁度、観客の着席が始まった所。ステージに目を移すと、H.A.S.P.の樋川代表が、自らステージ周囲に生じている段差などを、ホテルのスタッフと一緒に、念入りにチェックされていた。「見えないような細かい所まで、随分と気配りされているなぁ」と思って見ていたが、後に実は必然の対応だったのだと、大いに頷く事となる。

 用意された座席は60脚ほど。開演前には、見事に埋まっていた。吹き抜け構造を活かして、二階の踊り場(立ち見ながら、特等席だ)などで観賞される方々もおり、観客は総勢100名弱という感じ。「Power Live 2005」には及ばぬが、イベントの性格を考えれば、大盛況と言って良い。
 我々はステージに向かって左側、前から二列目通路寄りの座席を確保し、ライブ盛り上げの一助になればと、サイリュームの配布を開始。多くの方が笑顔で受け取って下さり、とても嬉しい。是非とも、打ち振って応援して欲しいものだ。

 と、眼前のタキシードを着た男性が、ぬぅぅぅ〜と、手を伸ばしてくる。お顔を拝見すれば、ケノシルのベース担当:ボンバイエさんではないか。「え?使われます!?」と、ちょいとビックリしながらお聞きすると、笑顔で「ええ、使いますよ」との返事。では、どうぞお使い下さいとサイリュームを渡せば、非常に嬉しそうにサイリュームを振るボンバイエさん。そんなやり取りを、hiroさんとトモさんが笑いながら見ている。

 一通り、客席への配布が終了した頃、今度はドラム担当のシュウ(注1)さんが、バージン・ロードへと続く階段を、ブラブラと下りて来られた。ふと目が合ったので、「(サイリューム)要ります?」と話し掛けさせていただくと「えっ!?」というような表情。「いや、ボンバイエさんは、欲しいといってお持ちになったんですが」と応じると、笑顔で「じゃ、貰おうか」と受け取って、胸ポケットへと挿して下さった。

◆リンゴの唄

 定刻の19時、グランメール山海荘の女性スタッフのMCで開演。
 ステージ上には「りんご娘.」の姿がないまま、ケノシルの演奏が開始される。

 先ず聞こえて来たのは、ジョナさんの歌声。本曲を歌いながら、バージンロードを歩んでの登場。そういえば、今朝、拝見したリハーサルで、この動き出しのタイミングなどを、何回も確認されていたっけ。
 続いてレッドさんが登場し、バージン・ロードを歩んで、ステージ向かって右側へ。間奏では、左側のジョナさんとタイミングを合わせながら、元気良く足を蹴り上げて、トリである金星さんの登場に花を添えていた。

 ケノシルの生演奏という事もあり、原曲の懐メロ風味は薄れて、完全なGSサウンド、現代的なエレキ・サウンドに仕上がっていたが、名曲というのは時代に即したアレンジを施せば、時空を越えて立派に通用するんだナァと、改めて感心。


◆焼きりんご

 「りんごの唄」から、流れるように本曲へ。
 金星さんが曲の解説を一気呵成に語り尽くした所で、演奏開始。こういう自由度は、生バンドならでは。

 元々がGSサウンドを意識した楽曲だけに、やはり生バンドで聞かせていただくのが一番だ。PA経由ではなく、生音が耳に飛び込んで来るのも実に心地好く、特にサビ部分での、シュウ(注1)さんのドラム・アレンジ(シンバル?を小刻みに叩く音)が印象に残った。ライブだからこその味付けだ。

 金星さんの歌声も気持ち良く、間奏におけるツイスト、モンキーダンス、ぐぃんぐぃんの振り付けコンビネーションも、バッチリ見事にキマっていた。

◆MC.1

 「皆さん、こんばんわ。りんご娘.です」から、MCへ。お題は「結婚について」(だったハズ)。

 レッドさんは、旦那さんと子供5〜6人(!!)に囲まれた、幸せな家庭を作りたい。金星さんは、「ラーメン屋で、ラーメンをズルズルとすすっているようなシチュエーションでも、いきなりプロポーズされたい」などと話して笑いを取り、ジョナさんが、25歳までに結婚して、日曜はゴロゴロして過ごす正統派の主婦になりたい!?というようなオチを付けていた。

 言葉で書くと以上のような感じ(だったハズ)なのだが、実際のMCは、いつものように非常に「りんご娘.」らしい、ムニュムニュ・テイストな流れで進行しており、当方は大声をあげる訳にはいかないながら、「クフクフクフクフ、うははははー」と、大ウケさせて貰っていた。だって、可笑しいんだもん。面白いんだもん。

 下手にステージ慣れしたMCになってしまうくらいなら、今の井戸端会議スタイルの方が、若けぇのらしくて良いよな、と、痛切に思う。ただ、今後の大きな舞台に備え、キッチリと作り込んだMCを練習しておくのも悪くないだろう。その上で、「井戸端会議なMCをお聞きになりたい方は、津軽まで来てネ♪」という事にすれば、MC、それ自体が希少価値を持つ事にも繋がる。

◆雪のブルース

 結婚の話から、「りんご娘.のオリジナルとしては、唯一、悲恋を歌った曲です」で、本曲へ。確かジョナさんがメイン・ボーカルを務めていたが、ブルースだけに抑揚で表現する場面が多い。
 しかしながら、そのような局面でも、声が裏返ってしまうこともなく、しっかりと抑揚・強弱を活かして歌い切っていた。初めて「りんご娘.」のステージを拝見した頃と比較すると、三者三様ながら間違いなく地力が向上している事に気付かされる。

◆プラネタリウム

 今回は、ここ最近採り入れていた手話バージョンではなく、ノーマルな振り付けでの歌唱。
 振り付けに意識を奪われない分、歌とコーラスに集中できるのか、安定度がすごぶる高かった。

 そんな綺麗なコーラスの満ちる中、模擬チャペル&ファッションショーで新郎新婦役を任っていたお二人が、本日最後のご登場。気付いた客席からは、拍手が飛ぶ。腕を絡め、静々とバージン・ロードを歩み、ステージへ。


◆MC.2

 ステージにお迎えした新郎新婦に対して、金星さんが牧師に扮した結婚式を開催。

 金星牧師: 新郎は、新婦を一生、愛する事を誓いますか?
 新  郎: 誓います。
 金星牧師: 誓いますか?本当に誓いますか?大丈夫ですか?ウソじゃないですね?
 新  郎: はい。
 金星牧師: ホントかなぁー?ん〜、ま、良いか。

 文字ではニュアンスが伝わらないのが非常に残念だが、そんな風に、実に上手く疑問形で問答を行い、客席から笑い声を釣り上げていた。新婦にも、同じような問答を行い、「二人の永遠の愛が誓われました。ここに結婚を宣言します!」と、力強く宣言をして、次の曲へ。

 ‥‥‥という流れだったのだが、本当は金星牧師の結婚宣言と共に、ステージ上に鎮座していた、バルーンが破裂して、テープか何かが降り注ぐ予定だったような気もする。変な感じで気の抜けた、シュコン!という音が耳に届いていたし、何よりも金星牧師の両脇に控えていた、ジョナさんとレッドさんが、宣言直後に「あ、あ、あ、アレ?」という感じの表情で、ステージのバルーンを見つめて苦笑していたから。

 ともあれ、(そういう演出の予定だったと仮定して)バルーンが破裂しなかったという不測の事態はあっても、作り込まれた感じの本MCは、イベントの性格にも合っていて実に良かったと思う。正に一期一会のMCだろう。

◆あ〜よかった

 実は当方、本曲は原曲からして聞いた事がなかったのだが、「りんご娘.」の暖かくも柔らかいコーラスが、実に気持ち良くマッチしていて、初視聴ながら気に入ってしまった。春の土手に座りながら、青空を眺めてホッとしたような気分にさせられる曲、とでも表現したら良かろうか。

 そんな歌声に見送られ、新郎新婦のお二人が退場。前もってホテルのスタッフが造花の花びらを観客に配布しており、退場するお二人には花吹雪がプレゼントされる。慣れない仕事に気苦労も多かったのではないかと思うのだが、初々しい新郎新婦を見事に演じ切っておられた。今日一日、本当にお疲れ様でした。
 因みに本曲を聞きながら、「あ〜よかったな、鯵ヶ沢に来て。あ〜よかったな、ブライダルフェアに来て」と、心の中で替え歌にしていたのは言うまでもない。

 なお、トモさんのピアノのみの伴奏だった(ハズ?)ので、手持ち無沙汰となっていたボンバイエさんとシュウ(注1)さんが、楽器を傍らに置いて、開演前にお渡ししたサイリュームを打ち振って下さっている姿も目撃した。それに誘われるように、観客席にもサイリュームが舞い、手拍手も飛んでいた。

◆大抽選会

 「りんご娘.」がお色直しという事で、グランメール山海荘の支配人が登場。支配人とジャンケンをして、勝抜くと粗品が貰えるという大抽選会。「せぇ〜の、最初はグー!じゃんけん、ポン!」

 ‥‥‥で、また一発で負けてしまう。余りにも勝負弱い自分に、泣くしかない。
 ジャンケン大会とは別に、ブライダルフェア入場時に配布されていた抽選券の当選者も発表され、商品としてグランメール山海荘のペア宿泊券がプレゼントされていた。

 その後、今日のブライダル・ファッションショーに登場したモデルさんが、自らの「初恋」と「プロポーズについて」を語るインタビュー・ビデオが上映される。ここで、実は新郎新婦も含め、モデルの方々が全員グランメール山海荘のスタッフであったと分かり、個人的には大変、驚いた。

 多くの観客は、インタビュー・ビデオをじっくりと見ていないようだったが、なんのなんの、このインタビュー・ビデオが白眉の出来だった。「初恋」と「プロポーズ」を語るスタッフの、自然と漏れ出る気恥ずかしさのような表情と笑顔が、初々しく爽やかで実に良い。緊張のためか、澄まし顔で登場していながら、話しているうちに笑顔になってしまう方の、何と何と多いこと。

 魅力的な表情や、本当の美しさというものは、外面を着飾る事で表現できるものではない。内面から溢れ出て、初めて表現出来るもの。それが良く分かる、インタビュー・ビデオだった。心の中で、拍手。


◆海

 ビデオの上映が終わると同時に、場内暗転。物静かにケノシルの演奏が開始される。
 「りんごの唄」と同様に、「りんご娘.」がバージン・ロードから登場する演出だと気付き、首を捻った瞬間、視線のみならず身体ごと金縛りになってしまった。

 何故なら、そこには紫色のウエディングドレスに身を包んだ、愛と美の女神・ビーナス = 金星さん(「金星」は英語で「Venus (ビーナス)」の意 / Venus is the goddess of love and beauty.)が降臨していたのだから。目を奪われるとはこういう事かと実感させられるくらい、当方の視線を掴んで離さない。そんな魔力であり、魔性を感じさせる。

 バージンロードを優雅に歩いて来る魔性の女神・ビーナス ――― もとい、金星さん。視線がぶつかったように感じ、思わず目を逸らせた瞬間もあったが、本当の意味で視線を外す事など、出来やしない。「なんて綺麗なんだろう、なんて美しいのだろう」と、心の中で反芻し、そんな言葉が頭の中で駆け巡る。当方の真横を通過した瞬間には、思わず素で「綺麗だなぁ‥‥‥」と呟き、嘆息。アタマの中のネジが飛んで、完全に惚けていた。

 そんな呟きも、耳に届いたのか届かなかったのか、若干、気恥ずかしそうな表情を湛えながらも、真剣で理知に満ちた表情を崩さずにステージへ登る金星さん。向かって右奥が立ち位置だったようで、こちら側の客席とは距離が開いた形になった事が悔しくてならなかったが、しかし、それでも視線を外す事が出来ない自分が居た。

 続いて登場のレッドさんは、薄青色のウェディングドレス。間違いなく魅力的であるのだが、金星さんの魔性漂う美しさを見せつけられると、幼さが抜けていない印象が否めない。綺麗というよりは、可愛いと表現すべきか。

 そしてステージでは、デュエット。この二人の組み合わせを聞くのは二度目になるが、融け合う声に雑味がなく、透明感が高くなったように聞こえる高音域は、特筆もの。
 ‥‥‥などと書いてはみたが、当方の脳内では、本曲の印象 = 金星さんのドレス姿であり、実は曲そのものの印象は、あまり残っていない。

◆Can You Celebrate?

 金星さんのドレス姿が目に焼きついて離れないままに、ジョナさんのソロである本曲へ。ご本人は、吹き抜けに造り付けられた階段を、なんと二階から登場。装いは純白のウェディング・ドレス。なんと足元には盛大にスモークまで炊かれている。
 当方はステージ左側に座していたので、首を捻る事でジョナさんの登場を目で追う事ができたが、右側に座っていた方々は、完全に振り返らねば下りてくる姿を見る事が出来ず、ちょいとお気の毒だった。その辺を補完するべく、BGVはジョナさんの姿を追い続けている。

 本曲も演出が強烈で、演奏や歌の印象が余り残っていない。曲の入りばな、ケノシルに加入されたフルート担当の方が、楽器をサックスに持ち替えて独奏されていたと思うのだが。
 金星さん、レッドさん両名は、ジョナさんがステージに辿り着くまで、ライトは当らないながらもきちんと曲に合わせてステップを刻み、コーラスを付けていた。

 また本曲に合わせて、ファッションショーでモデルを担当された方々全員が、ドレスに身を包みバージンロードを通り抜けるという演出があったかと思うのだが、今日のイベントで唯一、演出意図が伝わり辛い感じだった。理由は色々とあるだろうが、座席がステージと正対しているため、バージンロードを歩んで来る人を確認し辛くなってしまっていたのが、最大要因ではなかろうかと。各座席をバージンロードに対して扇形(右に45度傾ける感じ)に配置するだけで、印象が随分と変わったかもしれない。

 あるいは、歩いて来たモデルさんがステージ横で振り向き、客席に一礼する形でも良かったのかもしれないが、ウェディング・ドレスを着用していると、振り向く以前に歩くだけでも大変である事が、ブライダルデートを一日拝見させていただき、良く分かった(つもり)。
 実際、ちょっとした段差に躓きそうになったり、歩き辛そうにしているモデルさんを目にすると、開演前に樋川代表がステージ周りの段差などを念入りにチェックされていたのも、必然だったのだと認めざるを得ない。

◆MC.3

 前曲のアクセサリーとして、ジョナさんが持参したブーケを用いて、ブーケ・トスを行うという事になる。
 ただ、メンバーは全員が未婚‥‥‥というか、そもそも金星さん以外は法律的に結婚出来ない年齢じゃない?という話に。

 「じゃぁ、ブーケを受け取った人は、りんご娘.の新メンバーにしてあげよう!」
 「でも、オトコの人が受け取ったら、どうする?」
 「ん〜、その時は、りんご息子!?」

 というオチに、会場は大いに沸いていた。
 そして、実際にブーケトスをしたら、な、な、な、なんと、かなり高齢(!?)の男性がブーケをキャッチ!これには会場も大いに盛り上がり、雰囲気は最高潮へ。


◆星のかけらを探しに行こう

 金星さんが、また涙を流してしまうんじゃないか?と心配したが、それは杞憂だった。今度はキッチリと歌い切り、「Power Live 2005」のリベンジ成功。優しく合わせるのではなくて、三人が三人、思い切り声を出しながらバランスを取るようなコーラスに、より以上の力強さがこもっていた。

 と、歌っている途中で、ジョナさんのドレスに付いていた装飾の花が取れてしまう。そこで何を思ったかジョナさんは、それを隣のレッドさんに渡してしまう。
 意表を突くタイミングで手を差し伸べられて、思わず受け取ってしまったレッドさん。「うぅぅぅう?これ、どうしよ?」という表情の後、漫画に出て来るような、頭の上で電球が点燈した瞬間の「閃いた!」というような笑顔を浮かべ、なんと金星さんへ装飾の花をリレーする。
 「まさか自分の所へは来ないだろう」と思っていたのか金星さん、「あらら、私の所まで来ちゃったの!?」というような困惑した笑顔を浮かべながら、しかも送り返すタイミングを逸してしまい、結局、純白の装飾花を右手に軽く握って、最後まで歌い続けるハメに陥っていた。

 いつもながら、突拍子もない閃きとそれを実現してしまうジョナさん。それを壊す事なく演出に仕上げてしまうレッドさん。落ち着いて状況を受け止める金星さん。そんな三者三様の個性とセンス、度胸が垣間見られた一瞬だった。

◆りんごのキモチ

 BGV用のスクリーンに歌詞が映し出され、「皆さんも一緒に歌って下さい」で、本曲へ。
 衣装がフリフリのドレスであるため、当然ながらいつものような振り付けは出来ない。
 揺れるドレスにバランスを取るためか、手の動きも派手に出来ないようで、ほぼ直立状態で歌われた「りんごのキモチ」。衣装も含めて、これはこれで貴重なステージだろう。

 曲の途中では、モデルさんが、サイリュームを振りながら、全員ドレス姿でステージ上に。狭い舞台ながら非常に華やかに彩られる。
 また、歌詞に合わせて、金星さんが処置に困っていた装飾の花を、満面の笑みでジョナさんに「届けて」いたのが、凄く面白かった。ジョナさんの「結局、戻って来ちゃったか」という笑顔も、雰囲気作りに寄与していた。

 間奏部分でバンド紹介、メンバー紹介。そして、モデルさんも含めたグランメール山海荘のスタッフに謝意を表してから、最後に客席も煽っての大合唱。そして、いつものように「ヘイヘイヘイ!」で締め。
 直後に、ステージ上に用意されていたバルーンが上昇しながら破裂して、中から小さいハート型の風船や紙吹雪などが飛び出し、終幕を告げるカーテンのように、ステージ前に降り注いでいた。

◆終幕 -> 撮影会(状態!?)

 非常に密度の濃かった本イベント。その空気から離れ難く、思わず「アンコール!」と声を掛けてしまったが、時計を見てみれば終了予定時刻を15分くらいオーバーしており、当然ながらアンコールはナシ(泣)。

りんご娘.と、グランメール山海荘のスタッフ 「りんご娘.」はカーテン・コールの鳴り止まぬ中、バージンロードを抜けて、ロビーに設置されたCD即売会場へ。丹前姿の親子連れなどがCDを購入し、子供さんが「りんご娘.」と握手をしたりしていた。
 ステージ上のモデルさんも、「りんご娘.」の後に続くように、盛大な拍手を受けながら退場。最後の最後まで、本当にお疲れ様でした。

 即売会の合間を狙って写真撮影を試みていると、「(りんご娘.は)この後、ステージに戻りますから、ちょっと待っていて下さい」との周知。即売会が一段落した所で、ドレス姿の「りんご娘.」がステージへ戻り、ケノシルの面々や、グランメール山海荘のスタッフ、ドレスを脱いだモデルの方々との記念撮影が行われた。
 そのまま、なし崩し的に「りんご娘.」のみをモデルとした撮影時間が設けられた形となり、「すみません、撮影はここまでで!」と終了が告げられるまでの20分ほど、多くの方々がシャッターを切り続けていた。

 「りんご娘.」をはじめ、スタッフの方々にもお礼を言いつつ部屋へと引き上げ、そのままホテル内の温泉へ。今日一日を思い返しながら、まったりと一風呂浴びて出て来ると、丁度、H.A.S.P.の樋川代表が撤収される所であった。のんべんだらりと風呂を浴びている自分が、チトばかり恥ずかしい。
 エレベータを待っていると、出口に向かわれる樋川代表と目が合ったので、「お疲れ様でした」と一礼。会釈を返していただくのと同時にエレベータが到着し、そのドアが閉まった瞬間に、夢のような一日が本当の意味で終わりを告げたのだった。

※1 シュウさんという表記について
 正式なお名前は「シブ」さんである事が、2005年春に判明しました。
 自戒を込め本文中の表記は、執筆当時のママにしております。
 シブさんにご迷惑をお掛けしました事を、改めてお詫び申し上げます。


本文中のMC、会場描写、その他は、全て当方の記憶に基づき書かれています。
事実とは異なる表記があるかもしれませんが、ご了承下さい。


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